⑦奥の山古墳

 

 奥の山古墳は全長66mの前方後円墳で、出土した土器や埴輪の様子から6世紀の半ばに造られたと考えられています。

 埼玉古墳群の他の古墳と同じように長方形の二重の周堀が巡りますが、周堀の北西側の一部は、後から造られた鉄砲山古墳によって壊されています。2つの古墳が非常に密接して造られたことが分かります。

 墳丘の西側の造出しからは埴輪や土器の破片が大量に出土しました。中でも須恵器の子持壺(こもちつぼ)は大型の壺の肩の部分に、小型の壺を4つ取り付けたものであり、全国的にも例が少ないものです。奥の山古墳の埋葬施設については、発掘調査は行われていませんが、地中レーダー探査の結果からは、板石(いたいし)を箱状に組み合わせた「箱式石棺」である可能性が高いと考えられています。

発掘風景

埴輪の出土状況

須恵器の子持壺

 

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